文処理本の計算心理言語学の章に関して、note に記事を書きました。
『ひとが言葉を理解・産出する仕組み 心理言語学入門』 の第 9 章についてです。
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kk1571@georgetown.edu までご連絡ください。 日本およびアメリカの大学院の進学について聞かれることがあるのですが、まずは九大の下地先生による 『大学院進学と指導教員』 を読み、自分が置かれている環境と希望先の環境についてじっくり考えてみることを強くおすすめします。
私は数年前の冬にこの記事を読みました。 そして、繰り返し読んでさらに半年ほど経ってからようやくこの記事を咀嚼でき、自分が良い環境を探す努力を一切していなかったことに気がつきました。 この記事には明らかに正しく従うべきことが書かれているのに、なんやかんや自分はなんとかなっている気がするから、自分だけは違う気がするから、と何もしない。 特に人文系の大学院では、本来生存のために従うべき知見がたくさんあるのに、周囲の学生数が少ないことからかそうしたことへ意識が向けられにくく、「自分だけは違う。何とかなっている。」と勘違いしてしまいがちです。 自分もまさにその一人でした。何も考えていないだけ。ほんとうに愚か。
研究は武者修行のように一人で黙々と時間をかけて行うもの、みたいな雰囲気が作り出されているところがあったりしますが、あたりまえに意味不明でしょう。短いスパンで何らかしらのフィードバックがあった方が進むに決まっている。山籠りをするのならば大学院に行く必要はありません。 頑張っているのに論文が出せないのは、研究の才能がないからなはずはないでしょう。正しい方法、正しい方向が与えられていないだけ。指導がない、もしくは指導がとんちんかんなところに在籍していても仕方ないです。 なお、とんちんかんかどうかを判断するためには、もちろん、ある程度自分なりに勉強して考える必要はあります。そのため、「今の環境に違和感はあるけど判断できない。だって自分が勉強不足なだけなのかも」みたいな思考に至りがちですが、ちゃんと時間をかけているのに「勉強不足」であるのは、才能がないからではなく指導が不十分だからでしょう。(以下、ループ。)
ただ、残念ながら、今いる環境から逃げ出すのにはさまざまなコストを要します。認知の歪みもかかって「ここにいることにもメリットはある」みたいなことを日々考えてしまったりするものでしょう。 例えば「でもここにはお金がある!」などという標語が蔓延ったりするんでしょう。 だが、学会参加などの正当な目的にはお金を工面してくださる先生は、探そうとしていないだけで、本来周りにたくさんいます。 学会がトラベルグラントを提供していることもあります。 そもそも、学会参加するためには研究をしないといけないのですが、そこが満足にできないところにいながら学会参加のお金のことを考えてもね、という感じです。 結局、「著者に入れないと参加費渡航費を払えない」とか言われて従っちゃうのに、ウィンウィンな関係だと言い聞かせ続けるなんてこともあるんでしょうね。 そうしたところに居続けるのは賢明な判断とはいえません。非合理的です。 学生に寄り添ってくれるような人と働けたらいいですね。
所属先への不満を日々考えるのは本当に無駄で、非常に多くの認知リソースを食います。幸せではないです。成長するための試練でもないです。 日常からそんな無駄な時間を消しましょう。
もし入る前なら、そこ所属の学生に連絡をとり、 下地先生が挙げている「兆候」 について聞くとか、これまでの学生の出入りを見てみるとか(人が集まるようなところなのか、逃げ出していっているところなのか)、論文がそれぞれの学生および教員から出ているか、とかをちゃんと調べましょう。
なぜわざわざこういうことを書いているかというと、こういう不満や怒りは放っておくて時間とともに忘れてしまうからです。 そして忘れるべきではないと思っているからです。結局アカデミアで生き残った人は薄れた記憶と生存バイアスで好き勝手やるので状況が全然変わらないのだと思いました。
私で役に立てることがあれば、喜んで相談に乗ります。また、他の方に繋ぐことも可能です。
研究は武者修行のように一人で黙々と時間をかけて行うもの、みたいな雰囲気が作り出されているところがあったりしますが、あたりまえに意味不明でしょう。短いスパンで何らかしらのフィードバックがあった方が進むに決まっている。山籠りをするのならば大学院に行く必要はありません。 頑張っているのに論文が出せないのは、研究の才能がないからなはずはないでしょう。正しい方法、正しい方向が与えられていないだけ。指導がない、もしくは指導がとんちんかんなところに在籍していても仕方ないです。 なお、とんちんかんかどうかを判断するためには、もちろん、ある程度自分なりに勉強して考える必要はあります。そのため、「今の環境に違和感はあるけど判断できない。だって自分が勉強不足なだけなのかも」みたいな思考に至りがちですが、ちゃんと時間をかけているのに「勉強不足」であるのは、才能がないからではなく指導が不十分だからでしょう。(以下、ループ。)
ただ、残念ながら、今いる環境から逃げ出すのにはさまざまなコストを要します。認知の歪みもかかって「ここにいることにもメリットはある」みたいなことを日々考えてしまったりするものでしょう。 例えば「でもここにはお金がある!」などという標語が蔓延ったりするんでしょう。 だが、学会参加などの正当な目的にはお金を工面してくださる先生は、探そうとしていないだけで、本来周りにたくさんいます。 学会がトラベルグラントを提供していることもあります。 そもそも、学会参加するためには研究をしないといけないのですが、そこが満足にできないところにいながら学会参加のお金のことを考えてもね、という感じです。 結局、「著者に入れないと参加費渡航費を払えない」とか言われて従っちゃうのに、ウィンウィンな関係だと言い聞かせ続けるなんてこともあるんでしょうね。 そうしたところに居続けるのは賢明な判断とはいえません。非合理的です。 学生に寄り添ってくれるような人と働けたらいいですね。
所属先への不満を日々考えるのは本当に無駄で、非常に多くの認知リソースを食います。幸せではないです。成長するための試練でもないです。 日常からそんな無駄な時間を消しましょう。
もし入る前なら、そこ所属の学生に連絡をとり、 下地先生が挙げている「兆候」 について聞くとか、これまでの学生の出入りを見てみるとか(人が集まるようなところなのか、逃げ出していっているところなのか)、論文がそれぞれの学生および教員から出ているか、とかをちゃんと調べましょう。
なぜわざわざこういうことを書いているかというと、こういう不満や怒りは放っておくて時間とともに忘れてしまうからです。 そして忘れるべきではないと思っているからです。結局アカデミアで生き残った人は薄れた記憶と生存バイアスで好き勝手やるので状況が全然変わらないのだと思いました。
私で役に立てることがあれば、喜んで相談に乗ります。また、他の方に繋ぐことも可能です。
kk1571@georgetown.edu までご連絡ください。 2024 年度に書いた学振 DC1 の申請書を置いておきます。
👉DC1 申請書(小区分02060:言語学関連)
いただいたアドバイスで、特に強く心に残っているものは、「設問に正しく答えろ」と「1. なぜその研究か、2. なぜ今やるのか、3. なぜ自分がやるのか・自分ならできるのか、を説明しろ」です。 また、これはあらゆる執筆に共通しますが、なるべく多く過去の申請書を読み、なるべく早く書き、多くの人にコメントや修正案をもらうことが近道でした。 もちろん、修正してもらうことでの改善量が圧倒的に多かったです。感謝。
また、申請書だけではなく、申請時の予算計画も丁寧に書くことをお勧めします💪
学振は、ちゃんとものを考えて文章を書くという練習になったのはいいものの、評価基準のわからない申請書で申請者の 1 割強にしかお金を出さないなんてのはほんとうに残念です。 通っても月々の額は微々たるものだし、さらにそこから所得税等税金に持っていかれる。 私は、学振に採用されてから、年金の学生納付特例が却下されました。 20 歳から支払い猶予を受けていた分の追納を求められ、当然ながら学振での給与分はすべて吸われました。 金銭面だけでなく、申請段階での「評価書」という要求もあまり納得できません。 申請者自身が「下書き」を書くのが慣習とか言われていたりしますね。 ハラスメントの温床でしょう。
「科学技術立国」の推進とか適当に言うのなら、学生みたいな弱い立場の人を正しく支援しないといけないんじゃないですかね。
いただいたアドバイスで、特に強く心に残っているものは、「設問に正しく答えろ」と「1. なぜその研究か、2. なぜ今やるのか、3. なぜ自分がやるのか・自分ならできるのか、を説明しろ」です。 また、これはあらゆる執筆に共通しますが、なるべく多く過去の申請書を読み、なるべく早く書き、多くの人にコメントや修正案をもらうことが近道でした。 もちろん、修正してもらうことでの改善量が圧倒的に多かったです。感謝。
また、申請書だけではなく、申請時の予算計画も丁寧に書くことをお勧めします💪
学振は、ちゃんとものを考えて文章を書くという練習になったのはいいものの、評価基準のわからない申請書で申請者の 1 割強にしかお金を出さないなんてのはほんとうに残念です。 通っても月々の額は微々たるものだし、さらにそこから所得税等税金に持っていかれる。 私は、学振に採用されてから、年金の学生納付特例が却下されました。 20 歳から支払い猶予を受けていた分の追納を求められ、当然ながら学振での給与分はすべて吸われました。 金銭面だけでなく、申請段階での「評価書」という要求もあまり納得できません。 申請者自身が「下書き」を書くのが慣習とか言われていたりしますね。 ハラスメントの温床でしょう。
「科学技術立国」の推進とか適当に言うのなら、学生みたいな弱い立場の人を正しく支援しないといけないんじゃないですかね。
日本国憲法の UD アノテーション をしました。
UD とは Universal Dependencies のことで、世界中のどの言語についても一定の基準で単語同士の統語的な関係を割り当てられるようにしよう、というものです。 国語研 UD にしたがって短単位をベースに長単位の情報もつけました。まだ UD tools でのチェックはしていないです。
動機としては、日本国憲法は等位接続が非常に多く文の構造が面白いというのもありますが、どうやらこのままでは これ に変わってしまうようなので、UD という形で残しておくのもありだな、と思ったからです。
動機としては、日本国憲法は等位接続が非常に多く文の構造が面白いというのもありますが、どうやらこのままでは これ に変わってしまうようなので、UD という形で残しておくのもありだな、と思ったからです。
修士の間に考えていたことについては、『自然言語処理』に書かせてもらいました。 また、アメリカ大学院の出願、情報理論、文法の生成力、組合せ範疇文法 (CCG) について、どれも書きかけですがブログ記事にあるのでよかったら読んでください。
最近の活動
- 「Individual Differences in Regressive Eye Movements during Naturalistic Reading」 2026/10/03. 関西心理言語学研究会 (KCP), オンライン.
- 「人間の文処理に対する情報理論的アプローチ」 2026/07/14. 第303回NINJALサロン, 国立国語研究所. [slides]
- 「計算心理言語学の新地平開拓の試み:効率的なコミュニケーション仮説の検証」 2025/03. 自然言語処理, pp.372-378. [pdf]
- 「Is Structure Dependence Shaped for Efficient Communication? A Case Study on Coordination」 2025/01/29. NLPコロキウム, オンライン. [slides] [video]
- CL Nomadic
- 国内での計算言語学研究の盛り上がりのため、関連する学術的活動に対するスポンサーシップを行う取り組みです。
- 言語処理学会第32回年次大会 (NLP2026) テーマセッション『せめぎ合う計算言語学—LLM時代に揺れ動く言語観の中で—』
国内学会発表
- 磯野真之介, 梶川康平. 2026/03. 大規模言語モデルの衝撃を生き残る統語理論を考える. 言語処理学会第32回年次大会, pp.439-443, 宇都宮. [pdf]
- 磯野真之介*, 梶川康平*, 杉本侑嗣*, 浅原正幸, 大関洋平. 2025/03. CCGによる日本語脳波データのモデリング. 言語処理学会第31回年次大会, pp.4023-4028, 長崎. 🏆委員特別賞. [pdf]
- 梶川康平, 磯野真之介, 窪田悠介, 大関洋平. 2025/03. 認知負荷の最適化戦略としての自由語順と項省略. 言語処理学会第31回年次大会, pp.1510-1514, 長崎. 🏆若手奨励賞 [pdf] [poster]
- 赤間美香, 梶川康平, 大関洋平. 2025/03. 統語情報は脳情報デコーディングに寄与するのか?. 言語処理学会第31回年次大会, pp.3602-3606, 長崎. [pdf]
- 吉田遼, 磯野真之介, 梶川康平, 染谷大河, 杉本侑嗣, 大関洋平. 2025/03. アテンションが記憶想起の認知モデルたりうるならば、記憶の表現としては何が妥当か?. 言語処理学会第31回年次大会, pp.1357-1362, 長崎. [pdf]
- 中石海, 吉田遼, 梶川康平, 福島孝治, 大関洋平. 2025/03. 自然言語における冪則と統語構造の関係の再考. 言語処理学会第31回年次大会, pp.37-41, 長崎. [pdf]
- 磯野真之介, 梶川康平, 大関洋平. 2024/06. 日本語大規模読み時間コーパスにおける記憶の負荷のCCGによるモデリング. 第168回 日本言語学会大会, pp.63-69, 東京. 🏆大会発表賞. [pdf]
- 梶川康平, 窪田悠介, 大関洋平. 2024/03. 統語変形はコミュニケーションから創発するのか?. 言語処理学会第30回年次大会, pp.2233-2237, 神戸. 🏆委員特別賞. [pdf]
- 梶川康平, 吉田遼, 大関洋平. 2023/03. CCGによる日本語文処理のモデリング. 言語処理学会第29回年次大会, pp.2984-2989, 沖縄. [pdf] [slides]
- 磯野真之介*, 梶川康平*, 吉田遼*, 大関洋平. 2023/03. 極小主義に動機づけられた統語的教示に基づく言語モデル. 言語処理学会第29回年次大会, pp.952-957, 沖縄. [pdf]
その他発表
- Kohei Kajikawa, Rei Emura. 2026/10/03. Individual Differences in Regressive Eye Movements during Naturalistic Reading. 関西心理言語学研究会 (KCP), オンライン.
- 梶川康平. 2026/07/14. 人間の文処理に対する情報理論的アプローチ. NINJALサロン, 国立国語研究所. [slides]
- 梶川康平. 2026/02/14. 情報理論は言語学に何を語るのか. 言語学フェス2026, オンライン. [poster]
- 梶川康平. 2025/02/01. 言語の起源はコミュニケーションか?:計算心理言語学の観点から. 言語学フェス2025, オンライン. [poster]
- 梶川康平, 窪田悠介, 大関洋平. 2024/01/20. 統語変換は文化進化から生じるのか?:等位接続構造での検討. 言語学フェス2024, オンライン.
- 梶川康平, 窪田悠介, 大関洋平. 2024/01/16. 統語変換はコミュニケーションから創発するのか?. 第256回NINJALサロン, 国立国語研究所.
- 梶川康平. 2023/03/29. CCGによる日本語文処理のモデリング. Encouraging Workshop on Formal Linguistics 8 (EWFL8), 東京大学駒場キャンパス. [slides]
😎 学会で訪れた街(写真がついていたりもします):
